大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)169号 判決

原判決が被告人の「進駐軍の看守する基地内射撃場に侵入し」た事実を認定し、之に対し刑法第百三十条を適用処断していること所論のとおりである。而して、刑法第百三十条に所謂邸宅とは人の住居の用に供せられる家屋に附属し、主として住居者の利用に供せらるべき区画した場所を謂い、建造物とは屋根、檣壁又は支柱があつて土地に定着し、人の出入し得べき構造をもつものをいうのであるから、原判示の如く単に射撃場とのみ判示したのは果してそれが右の邸宅乃至建造物に該当するか否か判文上不明である。しかも原判決の挙示する原審第四回公判調書中証人水野信三の、原審第三回公判調書中証人慶長義正の各供述記載に徴すれば、右射撃場は進駐軍の看守するものではあるが、その周囲に柵などもなく、その中には建物等もなく、広大な山の上の場所であることが認められ、記録を精査しても右の認定に誤があることは認められないから、右射撃場は濫りに出入することを禁止した場所(軽犯罪法第一条第三十二号参照)であるとは謂い得るが、刑法第百三十条に所謂人の看守する邸宅又は建造物を以て目すべきものではない。されば原判決には理由不備の違法があると共に、判決に影響を及ぼすことが明かな擬律錯誤の違法があるものというべきである。

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